君はガラスの靴を置いていく
『いとりんは純粋だから他の女子とは違うって思ってるかもしれないけど全然そんな事ないよ。だって彼氏が居るのに元カレも気になるなんてただの浮気女じゃん。いとりんだって十分悪い女だよ』
『おい』
ペラペラと喋る明日香を睨んだ。でもそれを気にせずに明日香はどんどんヒートアップしていく。
『なに?はっきり言うけど今のみやは中途半端で気持ち悪い。いとりんに悪い女にならせる覚悟もないで振り向いて欲しいとか思ってたの?』
『……』
『先輩に後ろめたい?罪悪感?
それを背負うのはみやじゃなくていとりんだよ!
それで決めるのもいとりん。中途半端に悪い女にさせるならとことんやりなよ!』
今回よりを戻したんじゃないかって噂が流れて
千花の評判は下がった。
しかもお似合いだとみんなが祝福してくれた先輩と別れたとなれば余計にそれは増す。
俺といる事で俺が傷付けなくても傷付く事は沢山あると思う。
だから卑屈にもなる。臆病になる。
『いとりんは他の女子と同じだよ。だから傷付いたり悪く言われても平気な気持ちぐらいちゃんと持ってる』
『明日香……』
『だから最後までその気持ちを捨てちゃダメ。
せっかく本気になれたんでしょ?』