君はガラスの靴を置いていく




『なに、テストの事で呼び出しとか?』


明日香は俺の横に座り、自分の花火を俺の花火にくっ付けた。すると火が移り明日香の花火も綺麗に着火する。


『いや、宮澤赤点ギリだけど赤点ではないよ。
夏の補習も免れたし』


俺の代わりにまるが答えてくれた。

まるは俺と違って成績は平均だから、いつも俺の進級を密かに心配してくれている。



『もしかして女子と居たんじゃね?
だって洋平、今朝1年に告られたんでしょ』


1人の男子がそう言うと、みんな勝手に俺の話題で盛り上がっていた。

つーか、なんでもう広まってんの?これだから同じ学校は面倒なんだよな。


『でもその子振ったんでしょ?なんで、なんで?』


今度は女子達の質問攻め。
本当好きだよね。こうゆう話。


『えー、なんでって何か違ったから』


俺は花火をやりながら淡々と言った。

正直、これといった理由はない。その時の自分がいいと思えば付き合うしダメと思ったらダメ。

相手の問題って言うより自分の問題。



『だから私と付き合おうって言ってんじゃん!』


明日香が隣で駄々をこねてるけど無視。


ってかこいつ、今日学校来てなかったし。頭痛いとか言ってたくせになんでこんなに元気なの?

まぁ、仮病はいつもの事だけど。



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