君はガラスの靴を置いていく





【宮澤だけど、今なにしてんの?】



俺のはじめてのメールは一行だった。素っ気なく思えるけど誰にでもこんな感じ。

普段、連絡は電話で済ませる事が多いからこれもなんか新鮮。


千花の返信はすぐに返ってきた。



【宮澤君のアドレス登録しておくね。今は勉強してたよ。宮澤君は?】


--------------あれ、なんか違和感。

千花はいつも俺と話す時緊張してるし、自分から質問とかしてこないから。

メールだと文字だし普通に話せるって事か。



【千花の事、考えてた】


これに対してなんて返ってくるのか。いつもなら赤面してうつ向いちゃうけど、メールではそうもいかないだろ。



【今日は食堂でありがとう。初めて利用したけどすごく美味しかったから、また今度買ってみようかな】



シカトですか。

話し完全に反らされたし。でもなんか面白いかも。向こうも思ってる事言えるみたいだし。


俺はメールを通して千花に色々聞いてみた。

住んでる場所、家族構成、好きな食べ物。まるで中学生のやり取りみたいに簡単な話ばかり。




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