伸ばした手
俺の心臓、どうした。
狂っちゃったのか。
なんでそんなに速く、
脈うってるんだよ。
「……もー。しゅーりょー」
俺は、強く、堅く、
彼女を抱き締めていた腕を
左右に広げ、彼女を解放した。
「…………へ?」
「だからですね。
お子ちゃまの俺には刺激が強すぎたためー、
ドキドキタイムはしゅーりょーです」
「なっ、馬鹿!」
……言ってるこっちが、
恥ずかしくなる台詞を言った俺。
つーか、ハグ如きで、
なんでこんなに
ドキドキしちゃってんの、俺。
なに、なに、
俺は乙女かよ!?