天然姫 と 狼王子
「まぁ、胡桃ちゃんが決める事だからね…。って言うか家どこらへん?送ってくよ」


「えっ?悪いからいいですよ。もうすぐですし…」


「いいって。こういう時は男が送るのが普通でしょ!」


「わざわざ、ありがとうございます。」


そう言うとニコッと笑った。

ドクドクと心臓が動く。
ヤベッ…!何照れてるんだろ。


「俊君?」


「あっごめん。何?」


「いや…ボォーッとしてるから…。」


そんな考えてたかな?
胡桃ちゃんの事……


「大丈夫だから気にしないで。」


段々と二人の会話がなくなってきた。


何か話そうと胡桃ちゃんの名前を呼ぶと…


「はいっ!何でしょうか?」


「胡桃ちゃんビックリしすぎ!それより家どの辺?」


「あれです。」


と近くの家を指さした。


「へぇ〜。俺ん家の近くだ。」


「本当ですか!?俊君家はどの辺?…ですか。」


「ハハッ。わざわざ敬語じゃなくてもいいよ。同学年だし。」


「でも……。何か俊君って敬語ってイメージがある。」


「今、敬語じゃなかったし。」


「えっうそ!!」



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