PIECE of SEVENS
「あースッキリした!会計よろしく!」


「ああ、任せとけ!」


十秒後、凌の顔が青くなった
いやな予感がした


「……金が足りん。金貸して」
やっぱり
しかも貸してときたか


「アホか!何が任せとけだ!」
結局自分の分は払ったあげく、凌に金を貸した
何考えてんだ、こいつは!まったく……


そんなこんなで、家に向かって歩き
「じゃまたあした」


「おう、じゃあな」
軽く手を振って別れた


家に着くとカバンをテキトーに投げ置き、カップ麺にお湯を入れた


10秒で完成し、あっという間に食べ終えた


正直な所、食い足りないが、ちゃんと作ってくれる人がいないからしょうがない


俺の両親はもうすでにこの世にはいない


「……」


ある日、俺が家に帰るとそこはものけのからだった


あったのは、いつもどおりの部屋と
穴の空いた赤黒い肉塊
と、その手に握られていた妙に白く輝くペンダント


その日は毎年何かを祝う俺のうちの特別な日だった


俺は幼かったから何をいわう日だったかは記憶に無い
が、そのペンダントを俺に渡すつもりだったんだろう


……まぁ、というわけで家族はいない


復讐を考えたときもあったが、今はそんなこと思わない


風呂から上がってベッドに突っ伏した



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