ノイズ
障らぬ神に祟りなしだな。



文也は心の中でそう呟くと、可奈の顔をチラリと横目で見ながら言った。



「まだ顔色悪いじゃん。家に帰った方がいいんじゃね?」



「…うん。先生にも帰った方がいいって言われた」



文也は体調の悪そうな可奈のことが心配だった。




「飯田さん。後藤くんに送ってもらったら?杉浦先生には私から話しておくから」



「はい。そうします」



正直一人で家に帰れるかどうか自信がなかったので、先生の配慮は有難かった。


二人は鈴木先生に頭を下げると、保健室を後にした。


正午を少し過ぎたせいか、日差しがかなり強い。


廊下を歩いているだけで、じっとりと汗をかいてしまう。


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