メガネ男子は俺様王子さま
「は~い、かんぱ~い!」
どうやらこの部屋で内輪のパーティーらしいのですが、私が居てもいいんでしょうか?
拓海はさっきまで私の側にいてくれましたが、「過保護なんだから」とか言われながら、賑やかなお姉様方に連れていかれてしまいました。
部屋の隅でますます居心地悪く座っていると、
「美羽ちゃん、私は先に失礼するわ。ちょっと会社戻らなくちゃいけないの。後はカイと適当にね。じゃ。」
……えぇ?安斎さん。私も連れて帰って下さい。
すがる目で見上げるけれど、「これもお付き合いよ。頑張って」と相手にされませんでした。
安斎さんを恨みがましく見続けていると、スイスイと人を避けてさっき玄関を開けてくれた人に声をかけて、本当に帰ってしまいました。
「迷子の子猫みたいな眼だねぇ」
いきなり間近で声がしてびっくりしました。