メガネ男子は俺様王子さま

「は~い、かんぱ~い!」


どうやらこの部屋で内輪のパーティーらしいのですが、私が居てもいいんでしょうか?

拓海はさっきまで私の側にいてくれましたが、「過保護なんだから」とか言われながら、賑やかなお姉様方に連れていかれてしまいました。



部屋の隅でますます居心地悪く座っていると、



「美羽ちゃん、私は先に失礼するわ。ちょっと会社戻らなくちゃいけないの。後はカイと適当にね。じゃ。」




……えぇ?安斎さん。私も連れて帰って下さい。


すがる目で見上げるけれど、「これもお付き合いよ。頑張って」と相手にされませんでした。




安斎さんを恨みがましく見続けていると、スイスイと人を避けてさっき玄関を開けてくれた人に声をかけて、本当に帰ってしまいました。



「迷子の子猫みたいな眼だねぇ」



いきなり間近で声がしてびっくりしました。


< 178 / 236 >

この作品をシェア

pagetop