an alley cat
―「好きだ」




さっきの言葉を思い出した。






その言葉が、“恋愛感情”と言うものでなくても、嬉しかった。





嬉しかった。







―ねぇ、冬真くん、私も好き。




言えるものなら今すぐ言いたい。





だけどね・・・もっと近くにいたいから。






―傍にいたいから、もう少し、もう少しでも・・・。






―ねぇ神様、こんなのズルイ事だって分かってる。



でも、まだ冬真くんに伝えたい事がいっぱいある。







だから、もう少し・・・







このままで。











私が冬真くんをさり気無く見ると、視線に気付いたのか、冬真くんと目が合う。




「ん?」



冬真くんは私に優しく笑いかけて・・・。


私は少し口元を緩め、

「何でもない」




と、笑顔で返した。







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