みにくい獣の子


「ご馳走さまです…」

お腹がいっぱいになって満足したらしい彼は、眠そうに目を擦った。



「ソファー使ってね」

「…あざーし…」

「少しでも怪しい行動したら警察呼ぶからね?」

「しょーちしました」



こんなに怪しい子と一晩過ごすなんて、私はギャンブラーなのか。
もしも彼が暴れて、私が警察に電話したとしても

『知らない男を家にあげて、一晩の宿を提供したら殺されそうになりました。』

…ま、こんな女殺されて当然だと思うだろうなー




「みさきさん」

「はい?」

「ちゃんとおとなしくしてるから…安心してさ」

「当たり前。」




只の口約束なのに、彼が微笑んで言うとなんとなく安心できてしまった。ああ…私って騙されやすいのかもしれない


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