君に届ける最後の手紙
みちしるべ。
毎日アサミに勉強を教えてもらっていると、いつの間にか月日は流れ、木々も色付く秋がやってきた。


「ゲンキ、お前どこ高行くの?」


昼休みに俺とゲンキ、アサミの三人は毎度恒例となった屋上ミーティングをしていた。


「ん〜、まぁ最近勉強ノッてるし……県工ってとこだな」


「はぁっ?県工って5教科で350点とかじゃねぇの?」


「あぁ、楽勝だろ」


「楽勝って……お前が勉強出来るのは知ってたけど、そんなに出来んのか!?」


「たいしたことねぇって。……んで由はどこ行くの?」


「決めてねぇ。なぁアサミ、どこ行けばいい?」


「アタシに聞くな!……ん〜、由ちゃんとこはおばさん一人で頑張ってるから私立はキツイしねぇ……」


「やっぱ公立だよなぁ」


「農業高校とかいいじゃん。合格ライン低いし、学費も安いからいいんじゃない?」


「合格ライン低いったって、お前らとは頭の出来が違うし……」


「でも頑張るのっ!激励の蹴りぃっ!」


「いっ!!!…………てぇなぁ!いちいち蹴るなよ!」


「もう絶対学校サボっちゃダメね!数学も頑張るっ!……じゃ先に教室戻るね」

「勉強かぁ……」


俺は一つ、深い溜め息をついた。


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