君に届ける最後の手紙

……次の日……


｢おうゲンキ！昨日はうまくやったか？｣


俺がそう言うと、ゲンキは何やら浮かない顔で、教室の隅を見つめてこう言った。


｢あんなハードル上げられた状態で話しかけられるはずないだろ……｣


｢ハードル？｣


俺が聞くとゲンキは声を荒立てて言った。


｢俺の目の前で、あんなに楽しそうに話してるからだよ！お前がハードルあげたの！！｣


……上げてない。第一俺は、うざったそうにあしらってたハズだ。


どこをどう見たら楽しそうに見えたのかは解らないが、とりあえず誤解を解き、今後について話し合う事にした。


｢……んで？ゲンキはアサミとどうなりたいのよ？｣


｢どうなりたいって……そりゃ恋人だよ。付き合いたい……｣


｢恋人？話しかける事すらできてねーじゃん｣


俺が小ばかにしたような笑みを浮かべると、ゲンキは自分の耳を疑いたくなるような言葉を発した。


｢それは由が何とかしろよ！｣


｢…………｣


早目にこの恋を諦めてくれます様に……。


俺は本気で願った。