Iの漂流戦士
“俺”と自分の事を呼ぶ高木功は、真面目でも成績優秀でもない本当の顔
親しい人間にしか見せない顔だった
『高木君にとってもナノハちゃんや一馬君は大事な存在でしょ?そんな大切な人が罪を重ねてもいいの?』
正義にとってもナノハや一馬にこれ以上、殺人を犯して欲しくなかった
でも高木功の表情は何一つ変わらない
まるで正義の言葉が右から左へ流れ落ちるみたいに
はぁ…と露骨にため息をついた後、
『あなたの話しは根本的にズレてます。彼ら達が罪を重ねる事は悪じゃない。……それに俺はこんな形ではなく戦士達の仲間になりたいんですよ』
高木功の本当の胸の内
“こんな形ではなく戦士達の仲間になりたい”
近くにいるようで、近付けない
高木功は殺人鬼になりたかった
ナノハや一馬、修のように
高木功の言葉がピタリと止まった所で、今度は正義が口を開く
『高木君が単刀直入に聞いてくれたから俺も聞くね。枝波修君に会わせて欲しい』
その瞬間、ピクリと高木君の眉間に力が入った
『………倉木さんから聞いたんですか?兄さんの事』