Iの漂流戦士
『………父さんがなんですか?』
正義の言いかけた言葉を気にする隼人
『………いや……』
正義が口ごもると、隼人は右手に持っていた“何か”を上に掲げた
それはコンビニのビニール袋
中には缶らしき物が数本入っていた
『……父さんに何か用ですか?たぶん家に居ますよ。これ“買ってこい”って頼まれましたから』
隼人の手に持たれていたのはビールの缶だった
正義はその間色々な事を考えていた
(お父さんが家に居る……って事は………)
もしあの時正義に会わず、修が新造の元に向かったのなら間違いなく殺人は起きていた
しかし現在新造は殺されず生きている
正義と別れた今も修は新造の元には行っていない
自分の思いが通じたのだろうか……?
正義は淡い期待をするが、そんなはずはないと冷静になった
だって修と正義が思う“正義(せいぎ)”は全然違うのだから
『……星野さん、ちょっと時間ありますか?』
そんな隼人の言葉に我に返った正義
(………………?)
二人は近くにある公園へと移動した