Iの漂流戦士
その花火はコンビニで売っているロケット花火
近くに居た少年達が打ち上げたものだった
道路の真ん中で色々な花火に火を付けて少年達は遊んでいる
そんな姿を見たカップルの男がフンと鼻で笑ってみせた
『しょぼい遊びだな。俺らなんか今からホテルに行ってもっと楽しい事するのになぁ?』
男は少年達に聞こえるように言ったが、花火の音と騒ぎ声で聞こえていないようだ
『……ちッ』
舌打ちをした瞬間、ドーン!!!!!!!!!!!とまた大きな打ち上げ花火が上がった
一瞬、辺りが明るくなり少年達のテンションは最高潮に達していた
『超貧乏くさーい!拓哉行こ?』
女は男の手をギュッと握った
------が、何やら違和感が………
手のひらの感触と一緒にヌルッとペンキのような液体
女はそっと手のひらに目を向けると、やっぱり何かが付いている
『拓哉。何か手のひらに……』
するとドサッと重たい何かが足元に落ちた
暗い中、地面に目を向けると……
そこには肩から切り落とされた腕が
『…………ッ!!!!!!!!』
女は驚き過ぎて声も出ず、隣に居る男に教えようと肩に手を乗せるとまたまた違和感が……
男の肩幅が狭い……いや、あるはずの物がない
そう下に落ちている腕は男のものだった