Iの漂流戦士

┗疑惑、一歩





殺人鬼02はあの童謡を歌いながら、オフィスビルの隙間へと姿を消す


『………♪♪♪』

その歌に導かれる1人の男

ーーーーガシッ!!


星野正義は少女の腕を掴んだ


ビルとビルの間に出来る細い隙間

その隙間の先はラブホテル街に通じていて、肉眼でもピンクのライトが目に入る


人1人通るのがやっとの隙間で、男である正義には少々きつい

体を斜めに傾けて突き進み、やっと少女を掴まえた


無我夢中で鼻歌を追っていた正義は今さらある事に気付く


(セーラー服…?)

握る腕は折れそうに細く、突然腕を捕まれたのに少女は声すら出さない


その代わりクルリと顔を正義の方に向けた



ーーードクンッ

正義の心臓が跳ね上がった


本当に息が止まってしまう程だった


一瞬にして身体中から嫌な汗が流れ、掴んでいる手が震える



少女の顔には白い仮面

そして右側に飛び散る無数の血痕


まさかたった数秒前に殺人があったなんて正義は知る訳もなく…


ひょんな事から出会ってしまった


鼻歌に導かれ……出会ってしまった



ずっと追い続けていた殺人鬼と





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