Iの漂流戦士
--------キーンコーンカーンコーン。
朝の予礼が鳴り、職員室に居た教師が次々と立ち上がる
『……あれ?予礼鳴りましたよ?』
出席簿を手に持った梨本がまだ座っている正義に言った
『……分かってる』
正義は浮かない顔をしながら渋々立ち上がった
(あーダメだ。頭を切り替えないと)
教師というスイッチを入れ直して自分のクラスに向かった
『おーい席着け!出席簿取るぞ』
正義が受け持ってるクラスは2年1組
『あ、先生おはよ!』
『おはよー先生。あれ?目にクマが出来てる』
生徒達は友達と話すみたいに正義に声を掛けた
『はいはい、おはよう。ほら、席着かないと欠席にしちゃうからな』
正義は教壇に立ち、出席簿をトントンと置いた
毎日あまり代わり映えのしない光景たが、今日は少しだけ違う
『ねぇ、02の服装ってセーラー服なんでしょ?ってか私男かと思ってた』
『えー前から女だって噂になってたよ?服装も私的には今さらって感じ』
『戦士ってどこに行けば会えるのかな?』
『俺サインもらいたい』
あちらこちらで生徒達のヒソヒソ話が聞こえてきた
----なぜ今まで気付かなかったのだろうか
正義の日常はこんなにも殺人鬼の話題で溢れていた