センパイ、頑張って!
「それに、これって深雪と夏川先輩が行きたがってただけで、センパイはあんまり乗り気じゃなかったのかなって…。」

黙って私を見てくるセンパイの目が、なんだか困っているように見えた気がした。


また私達の間に沈黙が流れる。


やっぱりセンパイは来たくなかったんだ…。


空気が重くなってきたこっちに気付いて立ち止まる深雪達。

「お前等どうした―?」
「どしたの、春菜?」

不思議そうに聞いてくる二人。

「私達帰りますね~!

もう十分楽しんだし!」

淋しい気持ちを隠して、精一杯明るい声で言った。


すると、夏川先輩がすごい怖い顔をして水口センパイに近づいた。

「秋、ちょっとこい。」

そう言って二人は近くの屋台の裏に行ってしまった。
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