スイートな恋はいかがですか?
「じゃあ行って来るね」
朝、私はブレザーに着替えて
玄関で家に向かって叫んだ
するとお兄ちゃんが長い廊下の
突き当たりの部屋からちょこっと
ネクタイを締めながら顔を出した
「いってらっしゃい」
んー…お兄ちゃん、普段は
優しいのになあ..
なんで恋愛のことには
口五月蠅いんだろうなあ
そう思いながら靴を履いていると
郁君が玄関の扉を開けながら言った
「小陽様、お送りします」
「えっと今日はいいや。
健飛朝練ないらしいから
健飛と行くから」
「そうですか..」
少し寂しそうな郁君を横目に
颯爽と玄関を出る
家の門が開いて家の敷地から
出ると健飛は既に待っていた