そして優しい嘘を言葉に

~ある春の日~

「お疲れ様でした!」

そう挨拶をして、今日の女子バスケ部の活動は終了した。

ちょうど隣でやっていた男子バスケ部も終わったみたい。



「美雪」



ん?

更衣室へ行こうとしていたら、後ろから呼び止められた。



振り返ったら、同じ学年の男子バスケ部の川井くん。



「なぁなぁ、ちょっとこっち」

手招きされて、みんなからちょっと離れた場所に移動した。



「どうしたの?」

私が不思議に思って訊くと、川井くんは人差し指を自分の口に当てて、辺りをキョロキョロと見てから、誰も近くに居ないのを確認して小声で言った。


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