白虎連合Ⅲ





夢を見た。

中学生の頃の夢。




絵里が私に相談して。

それを私が応援して。

裏切られた。




知らない男に連れて行かれ。

知らない場所に置いて行かれ。

私は山道に向かった。





そこまでは今まで見ていた夢と同じ。

でも、そこから違うのは。







『ゆい、帰るぞ』


『雄大様がいい子いい子してあげるなー』


『ゆいさんっ、迎えに来ましたよっ』


『俺もっす!!!』


『ほら、俺って素敵な兄貴やし?』







『ゆい、帰ろ?』







皆が居てくれた。



差し出された紫織の手を握る。

笑顔を向けると皆も笑ってくれて。






きっともう、過去の夢は見ないだろう。








『ゆい、ごめんな』








過去からの呪縛が解放される。

昔みたいな私は戻らない。





けどもう、それだけで十分だった。










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