「あなたのライバル派遣します!」
 女子二人と別れた後、健とも別れた竜馬は先ほどの朱莉の顔が気になって仕方がなかった。

むしゃくしゃした気持ちのまま足元に転がっていた石に全てを託すように思い切り蹴っ飛ばした。

 どこかで、ドスッという音がしたかと思うと、そのすぐ後に何かが落ちるようなドスンという音がもうすでに暗くなった人気のない細い路地に響き渡った。

慌てて辺りを見回した竜馬だが、特に変わったものは目に入らない。

しばらく、事態に何か変化があるかと思いその場にとどまっていたが、誰かが怒鳴り込んでくるわけでもなくただ無為に時だけが過ぎる。

どのくらい時間が過ぎたのかわからなかったが、少なからぬ時を越してなお変化のない状況に竜馬は後ろ髪を引かれつつその場を後にした。
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