ヴァンパイア・コンップレックス
誰もいない屋上。

「楢崎くん、ごめんね…
いただきます。」

そう呟き、
ゆっくりと近づいて首筋に噛みついた。


「くっ…」

楢崎くんが
一瞬苦しそうにうめいたけど、
これくらいは大丈夫。

傷はすぐふさがるし、
もらう血だって
コップいっぱい程度だからね。


ずるっと牙を抜いて、
口回りについた血をぬぐっていると、
いきなり声が聞こえた。


「また、綾瀬さんか。」
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