遙か彼方


そしたら大爆笑された。

訊いた私が恥ずかしくなる程に。


佐山さん曰わく、“美桜ちゃんのことは確かに好きだけど、そういうんじゃないかな。美桜ちゃんは俺にとって妹みたいなもんだよ。ほら、実際俺あの家の息子みたいなもんだし”だそうだ。


佐山さんは自分でも息子だと思っちゃっているらしい。

でもこんなに優しいお兄ちゃんなら大歓迎だ。


佐山さんの答えが期待外れかと訊かれればそうじゃないとは言い切れないけど、何を期待していたんだと自分に呆(アキ)れた。



高校は一学期丸々休学したから当然と言えば当然の対応なんだけど、その年は来なくていいから次の年の4月から1つ下の子達と同じクラスに通うようにと言われた。

二学期から通う気満々だった私は拍子抜けした。

だけど、今までみたいにただボーっとしていることはしたくなかったから家の近くのコンビニでバイトを始めた。


佐山さんが何かしら様子を見にきた。

大した用もないのにバイト先に来る佐山さんは少し可笑しかった。



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