CAPTORS
しかし、その期待も虚しく、部屋の中には誰もいなかった。

誰もいない部屋は一人でいるには広すぎるようだった。しかも殺風景。

床には毛足の長い絨毯が全体的に敷き詰められていて足音が全くしない。高い天井には大小さまざまなシャンデリアが部屋の光を調整している。外へ面した窓には豪奢だが派手すぎないカーテンがひかれている。

見るものすべてが希螺の知る世界とは違っていた。

けれど、そんな豪華な部屋の中にある家具らしきものは机、椅子、ソファーくらいなもので、他のものが見あたらなかった。

「珍しいもんなんかねぇだろ?」

部屋を呆けて見ていた希螺に男は笑いながらソファーに腰を下ろす。

おまえも座れと促され、男の向かいに座る。

男は希螺の顔を眺めるようにしながら、スーツの胸ポケットから煙草を取り出す。

吸っても?と訊ねられ、慌てて頷いてみせる。

「さてと。なあ、キラ?お前は能力者なんだろ?」

そう訊ねられ、躊躇いがちに、はいと応える。

「……あの、あなたは能力者が怖くないんですか?」
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