CAPTORS
CAPTORS本部ーー
白い壁に囲まれた部屋にレフィはいた。
傍らには若い男が一人。
白い白衣に身を包んだ男は漆黒の髪と同じ色の瞳をしており、レフィより若干背が高い。よく見るとまだどことなく幼さの残る少年だった。
しかし少年は慣れた手つきで周りにある機器を使いこなし、レフィの目線の先にいるモノの方へと視線を移した。
「そんなに心配しなくてもいいと思うぞ?」
「……それは……解ってるんだが」
レフィに声をかけると、歯切れの悪い言葉が返ってくる。
「どうせレフィのことだから、知らない場所で目を覚ました時知ってる顔がないと気の毒だ、とか考えてんだろ」
そう言った瞬間、音速のごとく顔をそむけたレフィの反応にそれが図星だったのだと少年は理解する。
しょうがないなと小さく肩をすくめ、自分の近くにあった椅子を引っ張り寄せると、レフィに座るようすすめた。
「自分も安静が必要なくらいの怪我してんのわかってもらえないとオレ困るんだけど?」