CAPTORS
するとレフィは口元に苦笑を浮かべる。

「それは悪かった」

そう言って素直に椅子へと腰掛ける。そして再び視線を元に戻す。

レフィの視線の先には、ガラスを一枚隔ててベッドに横たわる希螺の姿があった。

白いベッドの上で色々な機械のコードに繋がれ、昏々と眠り続けている。

「なあ、あいつホントに大丈夫なのか?」

視線を動かさないままレフィは訊ねかける。

「あいつ? ああ、色々検査もしたが、あの元種の毒の影響なんてこれっぽっちもない。あの深い眠りは、どちらかと言えば精神的負担が大きすぎたんだとオレは思う」

「精神的負担?」

少年の言葉にレフィは眉を寄せる。すると少年は一瞬かたまった後、深いため息をつき、レフィへ一枚の紙を手渡す。

「……レフィ、心配すんの悪いとは言わないからよ、せめてオレが提出した報告書くらいは目を通してくれな?」
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