CAPTORS
そういうもんなのか、と呟いてみせると体のことについて簡単に春日が説明をしてくれた。

それでも希螺にとってしてみれば、医療分野の専門用語といったものは聞いてもちんぷんかんぷんだったため、解ったのは『長い間動かないでいると、筋力が衰えていってしまう』ということだけだった。

「なあ、レフィ。こんなんでいいか?」

「現状説明しただけじゃねぇか……」

気まずそうに目配せする春日に肩でため息をつくレフィ。

「……だよなぁ」

がしがしと頭を掻きながらどうしたもんかと、春日は首をひねる。

「なあ、……施設はどうなったんだ?」

ほんの少しの沈黙の中で希螺がおずおずと口を開く。

「あ、その説明する必要あるな」

打開策を与えられたことで春日の顔が輝く。隣ではレフィが再びため息をついていた。

「……残念ながら生存者は君一人だ。施設はほぼ全壊状態で元種の体液で汚染されたため、現在あの周囲一帯は封鎖されている」
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