CAPTORS
「全くさぁ、お前もどんくさいよな。ま、次からはオレが助けてやるから安心しろ。ケガなくてよかったな」

にっこりと笑って、力任せに春日の肩を叩いてみせる。

それに面食らった表情で目を丸くする春日。

「一緒に教室戻ろうぜ。オレ、道分かんないんだからさ」

そう言って、春日の腕を引っ張りながら、ズンズンと食堂の出入り口へと向かう。

腕をつかんで希螺は気が付いた。

春日が微かに震えていることに……

しかし、食堂をでる頃には、春日も引っ張られるのではなく、しっかり自分の足で歩いていた。

今では逆に希螺が付いて行っている状態だ。

「キラ」

背中越しにかけられる声に、希螺は何だと返す。

「少しつきあってくれないか?」

「いいけど、どこに行くんだ?」

「実習棟」

「了解」

短く言葉を交わしたあと、春日の進行方向が教室がある方と反対側へと変えられた。

少し離れたところには、別の建物らしき物が見える。

遠目でみる限り、とても古そうなものだ。
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