CAPTORS
あんなところに何の用事があるのだろかと希螺は内心首を傾げずにはいられない。

実習棟に近づくにつれ、その異様さが目に付き始めた。

遠目に古そうな建物だとは感じたのは間違いではなかったが、その古さが尋常でない。

その建物は古いと言うより、倒壊一歩手前のようなものだった。

それは外観ばかりではなく中も同様で、校舎を形作っているものそのものが、まるでとても長い年月が経ってしまったかのように古くなっていた。

春日はその中を迷うことなく進んでいる。

「……かす」

「キラはさ、その目の色隠さなくていじめられた経験ないのか?」

希螺が呼びかけようとしたのと、春日が口を開くのはほぼ同時だった。

「……目の、色?」

話の内容を思い返し、ギクリと足を止める希螺。

「赤い目を普通の人間は持たない」

「そっか、春日には赤に見えるんだな……この色、茶色っぽく見えるらしくてさ」

決まり悪そうにヘラリと笑みを浮かべる希螺。

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