ラブランク
モトカレ
この組み合わせ周りの人

達にはどお映っているの

だろう…。若い男の子と

見るからに年上の女。私

は、そんな事が気になる。

「今日はお休みですか?」

レイはタバコに火を付け

る。その横顔は大人に見

える。

「お店は営業してるんだけど、私はお休みなの。」

一度しか、それもお客と

して会った相手とこんな

風にお茶するんだ〜。

「俺、ネイルサロンって興味あるんです。行ってみたいな〜と思ってて。男の人って来たりします?」

レイは真剣な顔で聞く。

アキラがビックリした顔

してるよ。

「来るよ、男の人も。営業の人とか、接客業の人とか。ネイルはしないけど、ハンドマッサージして爪を整えて磨いて行くの。」

レイは興味津々、アキラ

は意外そうな表情が可笑

しい。

「じゃあ今度行くから、お店教えてくださいよ!」

レイは悪戯した子供のよ

うにニヤリと笑う。

「ごめん、今日名刺持って来てないの。また今度−−−。」

メンドーな時はごまかす

のが1番(笑)名刺はカ

バンの底で出番を待って

たはず。

「じゃ、これ俺の名刺。」

レイはジーンズのポケッ

トから黒い二つ折りの財

布を取り出し名刺を差し

出す。

私はその名刺より、プラ

ダの財布の方が気になっ

た。お客さんから貰った

りするのかな〜?

テーブルに置かれた名刺

には「波多野怜(はたの

れい)」とあった。

「レイって本名なんだ。」

私は呟く。勤務先「ROSE

」メールアドレス……。

「へぇ〜こんな名刺なんだ〜。」

名刺の1/3が、彼の爽や

かに笑った写真入り。

「メールして下さいよ。それプライベートなアドレスですから!」

隣の席の女性の笑い声が

響いている。
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