フェンス
…ポーン。
間の抜けたような音が鳴りエレベーターが開く。
『よっしゃ!裕!乗れ!!』
俺たちはエレベーターに飛び込み閉めるボタンを押した。
エレベーターの扉が閉まる瞬間に警備員が撃ち込んできた銃弾が春斗の腕をかすった。
『………っ…』
『春斗!!大丈夫か!?』
『大丈夫。』
春斗はそう言いながら足にまいていた包帯を外し腕にまきなおした。
『…母さん何階!?』
慌てて母さんに問いかける。
母さんも慌てた様子で返答する。
『6階よ!また渡り廊下があるわ。』
『春斗ごめん…6階押して。』
『はいよ。』