フェンス
第四章
―現実世界。
―政府本部正門前。
そこには…
ハァハァ―…
『やっと着いたぜ…』
汗だくの凉が立っていた。
凉はあれから1時間ただひたすらに真奈の元へと走り続けようやくたどり着いた。
『真奈…。』
凉は香音の部屋から黙って持ち出した拳銃を握りしめ、堂々と正面から本部へ侵入する。
警備は薄く人の気配がない。
ほとんどの人は皆あっちの世界にいるからだろうか?
走っている間も人に会うことはなかった。
街には崩れたビルや家…日本全体が廃虚のようで気持ち悪い。