フェンス
カチャ―…
そこには少し離れたところから俺達に銃を向ける春斗の姿があった。
『春斗……何してんの…?』
『悪いな、裕…綾紀さん…俺はもう引き返せないんだ…』
春斗の顔にいつもの笑顔はない……
『何言ってんだよ…なんで…?』
『……俺も裕と同じだよ…俺も大事な女守らなきゃいけねぇんだ…』
『なっ…』
『俺がこっちの世界にきた本当の理由は…彼女を取り返すためだ…今まで騙してて、ごめんな…裕…お前は純粋過ぎて騙すのが辛かったよ。
俺の事本気で信じきってて…俺が騙してることなんてまったく気づかない…そんなお前を裏切ってるのが凄く辛かった。』