フェンス

『こいつ片付けたらすぐ行くから。綾紀さん達は先に行って。』

『無理なら逃げてこいよ。』

親父が小声でそう伝えると秋斗さんは笑う。

『そんな格好悪いまねできねーよ。』

秋斗さんに背中をおされ俺達は走り出した。

階段を下り廊下を走りまた階段を下る。

『なっ…行き止まりだ。』

突然、俺達の前に壁が現れる。

『他にも道がある、引き返そう。』

そう言って親父が振り向く―…

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