オバケの駐在所
それでも観衆の目は
気にならないようで、
修二君は
指でボールを弾き
真上に回して飛ばす。

汗を肩で拭うと
その思いを乗せて
晃君のミット目掛けて
投げるのだが
同時に耳を貫く金属音。
僅かながら芯を外した
その打球は
高く高く舞い上がった。

灼くるほどの
夏の盛りに見上げてみれば
空が青く気持ちよく
広がっている。

ただ今は
その空に吸い込まれる
白球の行方を追わんと
心を熱くたぎらせるんだ。
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