オバケの駐在所
空を見上げながら俺は思う。

君は元気でやっているのか?
1人で寂しくはないか?

俺はまだ見ぬ君に
会える時を
心待ちにしているぞ。

……なんて少し感傷的に
なってしまったか。

「お嬢さん、でーぶいでーを
ありがとう……」

「DVDね。
いいよ、君みたいな
ウサちゃんだったら
いつでも私を頼っておいで。
私もこのお巡りさんみたいに
オバケに偏見をもたない
クチだからさ。」

と、誰かさんに負けないくらい
優しい瞳を向けてきた女の子。

そーいえば誰かから聞いた
とても大きな妖怪ってのは
そもそも想像すらも
おぼつかないただの噂話だが、
少なくともここにいる2人は
人間のくせして
大きな懐をしているなって、
そう感じる事ができた。

それだけでもここまで
足を運んだ甲斐があったかな。

ただ、本当に人間かって
聞かれたら疑わしい所だが。

何故って女の子はそのお尻から
狐のような尻尾を
生やしているし、
ハジメのほうは言わずもがな。
蛍光灯に照らされ
映しだされた影は、
とても人とは思えない形。

ただ実物は
人間に間違いないが。

なんでだ?

存在が超越しているから?

ハハハ、アホらしい。
突拍子もなさすぎて
お月さんも笑ってるぜ。

そう思いながら俺は、
夜空に向かってフンッと
鼻をうならした。
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