夕暮れ色の君


…確かに、あたしは本当に人を寄せ付けない空気を出していた。



何度も、何度も、蒼さんを拒絶して。


蒼さんの話も、聴こえないふりをして。


ただ、自分のことだけ考えて、蒼さんの気持ちを考えないで。



…あたし、本当に最初から最低な女だから、蒼さんは本当に大変だっただろうな…。



考えだすと、何だかひどく蒼さんに申し訳ない気持ちになって、うなだれてしまう。



そのまま、その場所にうずくまっているあたしの目の前に、すっと手が伸びた。


驚いて、顔を上げる。



『…ほら、立って』


「わ、」



優しい笑顔と共に、ひょいとうずくまっていたはずのあたしの体は、軽々と立たされた。


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