ハツコイ
翌日、朝練に行った私は健人先輩に、大地先輩の事を説明しようとした


すると健人先輩は

「大地から全部聞いた。大丈夫だったか?今日の部活は休んで、大地の見舞いに行ってやってくれ」

「はい!」


そう言ってゆき先輩の元へ戻っていく先輩。


それにいちいち傷つく自分。




放課後、店でシップなどを買って大地先輩の家へ

健人先輩が一生懸命紙に地図を書いてくれた


ピンポーンー…


大地先輩の家は高級なマンションの一室だった


ガチャ…


中から大地先輩が。

「あれ?紗由ちゃん!?どうしたの?」


「お見舞いにきました!親仕事ですか?」


「いや、親とは一緒に暮らしてないよ。ま、中入ってよ」


「あ…はい」


なんだか聞いちゃいけない事聞いちゃったかなあ…


中にお邪魔すると、綺麗に片付いていて
とても広い部屋だった

「適当に座ってて。お茶でも出すから」


そう言ってキッチンでお茶をくみ、どうぞ、と差し出してくる

私はそれを受け取り一気飲みする


「あらら…そんなに喉渇いてたんだ?」


大地先輩がそれを見て笑う


「っつ…」


急に先輩が頬を抑える

「大丈夫ですか!?」


「あ〜平気だよ。ただ、中が少し切れててね…笑うと痛いんだ。ださいね…俺…」


私は顔を横にふり、


「私は嬉しかったですよ?あの時…凄く怖くて…助けにきてくれたのが先輩で良かったです。…あの、これ…」


「ん…?」


差し出したのはコンビニの袋。
中には大量のゼリーやヨーグルトが入ってる

ここにくる前、何がいいかコンビニですごく悩んだ

頬を怪我してるから、簡単に食べれるやつがいいかな、と思った
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