なんでも屋 神…第二幕
「本当?やったぁ!初旅行だね!じゃあ、今回の依頼は頑張って早く終わらせてね。」



現金な奴…さっきまで上の空だったくせに、今じゃ俺の半歩前をスキップしてる。



でも、こんな風に切り替えの早い所も一葉の長所なんだよな。



手を繋いで夜道を歩きながら、テキーラで軽く火照った身体を冷まそうと、事務所でコーヒーを飲んで行く事にした。



態態(わざわざ)[トレイン]で飲まないのは、誰にも邪魔される事無く語らえる空間が事務所だからだ。



携帯で時間を見れば、夜の十一時。[トレイン]の営業は日付が変わる迄。



普段ならとっくに事務所を閉めているこの時間に、間違っても依頼者は来ないだろう。



日付が変わる頃に、メインへ集まりだす着飾った男女達。何奴も此奴も今夜の相手を募集中って顔をしてる。



これからがヒロの稼ぎ時だ。
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