なんでも屋 神…第二幕
夜気に浸った春の陽気な夜風、舞い散る小柄な桜の花弁も、小さな影を背負って道端に転がる小石も、ビルの前に停まっている黒塗りの高級外車を避けるているようだった。
ベンツS600ロング。ボディと同色に近い漆黒の防弾ガラスに、ロリンザーのフルエアロを纏い、足下はAMGのブレーキディスク。
その姿は暗闇の中でも鋭角な輪郭を形取り、陽気な春の夜風さえも切り裂くように佇んでいる。
もう俺が填められたのは一目瞭然…数センチ空いたリアウィンドウからは、目だけで笑った兄ぃの顔が零れてきた。
辺りに細心の注意を払い、開いた運転席からは悪びれた素振りの欠片も無いノリの姿…。
強いて言うとすれば。普段と違うのは白いYシャツにノータイで、鴉色のスーツを着ているぐらい。
ベンツS600ロング。ボディと同色に近い漆黒の防弾ガラスに、ロリンザーのフルエアロを纏い、足下はAMGのブレーキディスク。
その姿は暗闇の中でも鋭角な輪郭を形取り、陽気な春の夜風さえも切り裂くように佇んでいる。
もう俺が填められたのは一目瞭然…数センチ空いたリアウィンドウからは、目だけで笑った兄ぃの顔が零れてきた。
辺りに細心の注意を払い、開いた運転席からは悪びれた素振りの欠片も無いノリの姿…。
強いて言うとすれば。普段と違うのは白いYシャツにノータイで、鴉色のスーツを着ているぐらい。