なんでも屋 神…第二幕
「彼奴は誰よりも優しくて、誰よりも他人の事を考えるから、自分の事が疎かになるのかもね。私はプレッシャーに負けちゃって、そうは出来なかったから…一葉ちゃんには頑張って貰いたいって思うの。」



鬱ぎ込んでいた世界に訪れた、一筋の光明を思わせる光の矢…。



マコさんに肩を抱かれた安心感…その優しい言葉が嬉しかった。



神君ごめん…神君は悪くないんだよ。この募る不安感や猜疑心を、希望の光に変えていけたら…ううん、今すぐは無理でも、何時か絶対に変えてみせるからね。



疲れて帰ってきた神君を、身体の奥底から優しく癒す心の揺りかごに、私は成る。成ってみせる!


一度そう思うと、次第に涙も零れなくなり、涙を拭ってマコさんと笑みを交わした。



窓の外には優しく照らす春の夜月…今の私が持つ光も、これ程までに微弱な物かも知れない…。



それでも私は、背伸びせず神君を待つ。だから…きっと…私の元へ帰ってきてね。
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