なんでも屋 神…第二幕
「馬鹿野郎。お前がぞろぞろと舎弟を引き連れてると嫌がると思って、俺の子飼いだけを最小限にガードさせてるんだ。」



…そりゃどーも。確かに、言われてみれば他の組員は見当たらず、入り口に立っているのも、赤城と言う兄ぃの子飼い連中の長だけ。



「それに此処がウチの店だという事は、お前も知ってるだろ?今夜はお前の為に貸し切った。」



俺と兄ぃを会釈したまま出迎えた赤城を先頭に、ノリを入り口の立ち番に回し、[沙夜]の中へと入っていく。



古民家から取り寄せたと言う、煤痩けて曲がりくねった巨大な柱が俺達を出迎え、黒大理石の床の上を進む。



間接照明に照らされた[沙夜]の中は、何処かに懐かしさを漂わせるが、御影石をあしらったテーブルや、彫りの深い彫刻が所々に配置されていて、片時も視覚を飽きさせない。
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