なんでも屋 神…第二幕
徐(おもむろ)に女性が席を立ち、次に戻ってきた時には、神堂の呑みかけていた徳利とは別に、新たなお銚子が二本。



「さぁ、先ずは一献。」



差し出された熱燗を、白無垢の杯で一気に空ける。



諄くない辛口の日本酒が、喉を焼き付かせながら胃に落ちていく。



五臓六腑に火が灯されたように燃え盛るが、鼻腔から抜けていく後味には、仄かな甘みが漂い、撓わ(たわわ)に実った稲穂の姿が思い浮かんだ。



「俺のお袋を知ってるんですか?」



今まで気にはなっていたお袋の過去…調べようとは思いつつも、最後の決断が付かずにいた。



お袋の過去を遡れば、自ずと俺の父親の事も知る事に成るだろう…眼を背けたい訳では無く、今まで居なかったのだから、今更知らなくても良いと感じている。
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