なんでも屋 神…第二幕

ならば答えはＮＯ…その感情を悟らせない無の瞳の奥からは、喉笛を鳴らしながら獲物を狩ろうとしている、残酷な獣が潜んでいるように見える。



「私の目にはそう映っていません。では、代替わりの噂は…。」



神堂が、黒御影石のテーブルに乗せているパーラメントに手を伸ばすと、賺さず兄ぃが黄金色に輝くデュポンのライターを、その穂先に近付ける。


小気味良いデュポン特有の金属音が室内に響き、神堂がおどろおどろしい煙を、宙に漂わせるが如く吐き出した。



「この話しは此処に居る四人しか知らぬ…これがどういう事だか分かるか神よ？単刀直入に言えば、ウチに来ないか？下積みも部屋住みも無しで、付き人から始めてみんかね？その後に杯を渡す…これでどうじゃ。」



双眼に力を込め、俺を、俺の背後を、俺全体を見透かしてしまうような冷眼を向けてくる。



伊達にこの街の裏社会のトップに君臨し続けてきた訳では無い…。