なんでも屋 神…第二幕
何だかんだで、一葉の存在に助けられている俺…少しだけ片頬を引き吊り、苦笑いを浮かべた。



「悪い遅くなった。あれから[神堂組]の方は動きが有ったか?」



デスクチェアに凭れていた身体を起こし、待ち草臥れたと言わんばかりのノリは、その表情を暗く落とした。



「今の所は黒沢の兄貴が撃たれた事は、組員達に伏せてある。混乱やヤクネタを押さえる為だが…それも時間の問題だろうな。」



表情を曇らせた理由…兄ぃから全幅の信頼を置かれている子飼い達。それが目の前であっさり撃たれた事に対する、恥にも似た感情だった。



ヤクネタは組にとって厄介な事を齎す(もたらす)組員…自分の感情を抑えきれず、勝手な判断で鉄砲玉と成る組員を出さない為の判断だろうが、ノリの言葉を信じるなら大した時間稼ぎにも成らないだろう。
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