なんでも屋 神…第二幕
目は力の限り見開き、焦点が定まっていないカメレオンのような眼…間違い無くドラッグに侵されている。



「退けろコノヤロー!」



二人の前に立ち尽くす俺に向けられる、グレイスウェットからの罵声。



避けない俺の横を、二人が舌打ちしながら通り過ぎる刹那、金髪の方には足を掛け、振り向き様で黒髪の方の長く伸びた襟足を掴み、何が起こったか理解出来ていない黒髪を地面に寝かせる。



息を切らして走ってきた警官は、迷わずグレイスウェットの方に馬乗りに成り、警察学校時代に習った柔道技で肩の関節を的確に絞めた。



その痛みに悶え、口の端から涎を灰色のコンクリートに垂れ流す金髪。それでも痛みを感じないかのように、逃れようと必死に暴れ回っている。
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