なんでも屋 神…第二幕
小一時間程でマコに事細かく説明し、予定日は明後日と言う事にした。



その間は準備期間とし、万全な体制を作り上げる。



外は夜の帳も降り、これからの時間帯メインやクラブでは、媚薬と言う名のクラブドラッグが若者達を狂乱の宴に誘うだろう…。



今は未だ打つ手が見つからない、凡庸な己の頭脳と、脆弱な力量しか持ち得ない自身を怨みもするが、それも今は未だ仕方無いと言い聞かせる。



帰る方向が違うノリとマコにビルの前で別れを告げるも、二人のぎこちない雰囲気が何処か可笑しく思えた。



変な奴等…。




夜風は桜の匂いも薄くなり、空には見分けが付かない暗雲が立ち込め始めようとしている。



もう直ぐ、季節は梅雨に入ろうとしているのか…。



四季の中で最も色鮮やかで、華やかな愛しい春に別れを告げるよう、薄れていく桜の匂いを全身に受け、名残惜しくなりながらも家路を急いだ。
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