なんでも屋 神…第二幕
ノリと落ち合ったのは、夕日も一片の輝きしか見せなくなった午後六時。報告を受けて別れたのが、つい先程の七時半。



街中をぶらつきながらマコに電話を掛け、昨日話した説明を繰り返すも、それを鸚鵡返しに俺の台詞を繰り返すマコ。



その断続的に流れるボールペンの音から、電話の向こうでメモを取っている事は、容易に推測出来る。



マコとの通話を終え、デニムに携帯を押し戻そうとしていると、再び鳴り出す着信音。



今日は休む暇無しだが、相手は俺が待ち望んでいた奏だった。



少ない会話を交わして通話は終了し、其れと同時に、事務所で電話を掛けるか否か迷った相手…神堂に連絡を取らなくて良かったと胸を撫で下ろした。



最終的には奏が出られなかった場合、神堂を通じて弁護士に頼もうと思っていた。



まぁそんな事をしなくとも、神堂程の人物なら、直接署長にでも電話をすれば済んだ話しだろうが…。
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