なんでも屋 神…第二幕
「そんな…他の出資者に断りも無しで…。」
片頬だけで笑みを浮かべる日向は、やっとの思いで絞り出した奏の言葉も、抑揚無く一蹴してしまう。
「去る人には関係の無い話しですが、其方は私から説明致しますよ。それと、奏君の経営権は私が買い取らせて頂きますよ。勿論、市価の数分の一になるでしょうがね。」
日向は其処まで一息に話すと、奏に向けていた冷眼を消し去り、握手を交わした時と同じ柔和な瞳を取り戻し、数秒間俺を見つめた。
「では、これで失礼しますね。」
其れだけ言い残すと、日向は訪れた時と同じ速度で、麻のシャツを翻して去って行った。
俺の中に、金の亡者と言う印象を刻み込んで…。
片頬だけで笑みを浮かべる日向は、やっとの思いで絞り出した奏の言葉も、抑揚無く一蹴してしまう。
「去る人には関係の無い話しですが、其方は私から説明致しますよ。それと、奏君の経営権は私が買い取らせて頂きますよ。勿論、市価の数分の一になるでしょうがね。」
日向は其処まで一息に話すと、奏に向けていた冷眼を消し去り、握手を交わした時と同じ柔和な瞳を取り戻し、数秒間俺を見つめた。
「では、これで失礼しますね。」
其れだけ言い残すと、日向は訪れた時と同じ速度で、麻のシャツを翻して去って行った。
俺の中に、金の亡者と言う印象を刻み込んで…。